125人が本棚に入れています
本棚に追加
/32ページ
テントを組み立て始めて三十分が経過。
未だに完成の目処立たず。
……良かった。
人気の無いキャンプ場選んで。
小心者だから、つい周りの目が気になってしまう。
「あれ?あんたまだテント組み立てられないの?手伝おうか?」
悪戦苦闘がよほど哀れに見えたのか。
振り返ると真っ黒に日焼けした、無精髭の如何にも怪しげな風貌の男が一人立っていた。
歳は私と近いくらいか。
なのにその風貌って……定職は?
本当に怪しい。
でも、このまま彼を突き放したら今晩の私の寝床が出来無い。
細かいことは気にせずに素直に助けを求めることにした。
最初のコメントを投稿しよう!