瞬く星の下で君と。

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さて、次の関門。 火熾し。 よく河原でバーベキューとか話を聞くけど、私はそれも未経験。 火を熾した経験なんてないから、予めネットで調べていたやり方で火を熾す。 ……おかしい。 さっきから煙しか立たない。 けっ煙たいっ。 むせながらうちわで扇ぐ。 目も煙にやられて涙ぐむ。 「それじゃあいつまでも熾きないって」 その声に振り返ると、またさっきの彼。 「勢いが足りないから。もっと強く扇ぐ」 「はっはい」 パタパタと強く扇ぐと、途端に炎が上がってさっきの燻っていたのが嘘のよう。 さすが達人。 「あ、ありがとうございます」 「で?今晩何食うの?」 「あ……えっと、一人焼き肉、ですかね」 「そっか。じゃあ楽しんで」 そう言った途端に彼のお腹がタイミング良く鳴った。 「あっあのっ、もし良かったら一緒に食べませんか?材料多く用意してあるし、色々とお世話になったのでそのお礼に」
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