報告です。

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店員さんに案内されたテーブルにつき、怒られた犬のようにしゅんとする先輩を見て、流石にもう許してやろうと僕は笑った。 「先輩、もういいですよ。気にしないでください」 「本当に、悪かった…」 許すと言っても引きずる先輩に先輩らしいなと思いながら、重い雰囲気を変えるためにパンッ!と一つ手を叩いた。 乾いた音に驚いたのか顔を勢いよく上げた先輩の間抜け面に今度は僕が耐えきれなくなって吹き出してしまった。 「せんぱっ、なんて顔してるんですか!」 「し、仕方がないだろ!びっくりしたんだから!」 少し怒った口調の先輩に笑いながらゆっくりと息を整える。 そしてメニューを取りだし先輩に渡した。 「さ、メニュー頼みましょう。折角こんなお洒落なお店で、しかも食べ放題なんだから楽しまないと損でしょう?」 そう言うと先輩もそうだな、と笑ってメニューを受け取った。
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