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「さて、説明して頂けますか?御二方」
二人の少年を前に、雫智(ナチ)が意図的に表情を消して尋ねかける。
一方の少年達も、先程までの表情とは打って変わって真剣な瞳で雫智を見据える。
それだけで雫智は、何かがあったか、もしくはこれから起こるのだと察した。
「はぁ…やっぱりここのあんみつはおいしいわぁ」
一方の茜織(センリ)と祐月(ウゲツ)は、やはりそのままあんみつを食べに来ていたようだ。
物凄く幸せそうな茜織とは逆に、祐月は見ているだけで気持ち悪そうである。
…余程甘いものが苦手らしい。
幸せそうに匙(サジ)を口に運ぶ茜織に、祐月はかなり呆れた視線を向けて言った。
「よくそんなもん食えるな、お前も雫智も」
「だっておいしいんだもん」
「どこがだ」
「全部」
「………そうかよ」
最早反論する気も失せてしまう。
甘党と非甘党では、根本的に甘いものに対する考え方が違うのかもしれない。
「あー、おいしかった」
「それはよかったな」
満足そうな茜織と、呆れたような祐月。
あの後茜織はさらに串団子十本とぜんざいまで食べたのだ。
………………この細い体のどこに入るのかは謎である。
「帰って晩飯入るのか?お前」
「え?余裕だよ?」
アッサリと答える茜織。
それどころか、やっぱりお饅頭お土産に買って帰った方がよかったかなぁ、などと呟く茜織に、祐月はまだ食う気か!?と心の中で叫んで口元を引きつらせた。
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