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子供が健やかに育ち、幸せな家庭を気づき、幸せな人生を送ってくれること。
そんな姿を妻と共に、ずっと見ていたい・・・
夢とは真に望むもの。
心の底から切望し、思いこがれるもの!
家族の幸せ。それが一番の夢。
そしてそのためには今の苦境に負けるわけには行かない。
敗者のいく末は幾度となく見てきた。
その末路は悲惨なものだ。
負ければ私も、もう家族には顔向け出来まい。幸せな未来は訪れない…
この絶望的状況に打ち勝たなければ。
心の底から思った。
そう。この状況に打ち勝つこと。
それもまた夢なのだ。
「負けるわけには行かないな。」
そう呟いた瞬間、また誰かが僕を呼ぶ声が聞こえた。
「ゆきおに、秘密のおまじないを教えてあげよう。」
今度ははっきりと聞こえた。
今とさっき、僕を呼んだ声は見知った声だ。
そう、あれは・・・
「サナエおばちゃん!」
サナエおばちゃんは群馬に住んでいる僕の祖母だ。
さっき僕を呼んだのは確かにサナエおばちゃんだ。
でも、その声が聞こえるはずがない。
サナエおばちゃんは5年前、群馬で天国に旅立ったのだ。
僕は直感で理解した。
あの声は過去。
過去の記憶だ。
僕は目を閉じ、記憶を辿り始めた。
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