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2章 秘密のおまじない
僕は20年前の、10歳の頃の記憶を思い出す。
荒島サナエ。
僕たちの祖母だ。
あれは20年前のことだ。僕たちは、祖父が死に、一人で群馬に暮らしていた祖母が寂しくならないようにと、家族で祖母の家を訪れた。
祖母の家に着き、移動で疲れた両親と妹はすぐに家の中にに入った。
僕はというと、東京と違う田舎の自然に興奮し、散歩をすることにした。
そこに、一人で危険だからと祖母が付いてきてくれたのだ。
僕は祖母が大好きだった。
祖母は体力は無かったが様々な知恵を持っていた。
動物や昆虫の名前、国語や算数、友達と仲良くする方法等、沢山のことを教えてくれた。
僕は祖母の知恵を聞くのが大好きだった。
僕は今回の帰郷で、そんな知恵をもつ祖母に相談しようと思っていたことがあった。
森林を散歩しながら、唐突に切り出す。
「サナエおばちゃん。秘密の話を聞いてくれる?」
祖母は一瞬、鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしたがすぐに笑みを浮かべて、良いともと言った。
「僕、将来卓球選手になって、卓球のプロになりたい!」
そう秘密の話とは夢に関するものだった。
当時小学生ながら僕は夢を持った。
テレビで卓球の試合を見て衝撃を受けた。
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