2章 秘密のおまじない

3/5
前へ
/13ページ
次へ
祖母は良く僕の事を褒めてくれていたので、僕の夢についても完全な肯定をすると思っていたからだ。 だけども、今になって思えば、それは祖母の優しさなのだ。 突然の告白を、小学生の空想として軽くあしらうのでは無く、一つの大切な夢として真剣に回答してくれた。 祖母は…サナエおばちゃんはやはり優しい。 その証拠に祖母、その後に僕が求めていたものを話してくれた。 「よし。良い子だ。では特別にゆきおに、秘密の知恵を教えてあげよう。夢の叶え方に関するとっておきの知恵だよ。」 僕は食い入るように聞き入る。 「さっきも言った通り、夢を叶える為には沢山の努力をしなければならない。沢山の苦労も。 そんな中、もうこれ以上努力できないって時、辛い状況に心が折れそうになった時に効く、とっておきのおまじないだよ。」 祖母はその場で座り込み、落ちていた木の枝で地面の上に”叶える”という漢字を書き始めた。 「これはね、叶えると読むんだよ。叶えるという文字を見てごらん。口と十の漢字が合わさっている。口と十の漢字は分かるかい?」 「うん、分かるよ!」 「夢を叶える為にはね、自分の夢を口に出して十回言うのさ。」 祖母は一息ついて続けた。     
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加