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「毎朝起きた時でもいい。夢に向かうのが辛くなった時でもいい。心を込めて十回言う。そうするとその夢はいつか叶うんだよ。」
「自分の夢を口に出して十回言う…?何のために?」
「誓うためさ。必ず夢を叶えるぞって。誰にでも無く、自分自信との誓い。
辛さに負けそうになった時、その誓いが力をくれるのさ。」
「力…?」
「そうとも!」
祖母は力強く拳を握り言った。
「 何くそ! こんな辛さに負けてたまるか!
俺は誓ったんだ!
夢を叶えるんだ!
そんな自分の心の底から出る力が、夢を叶えてくれる。その為の誓いを立てるのさ。」
当時は頭ではよく理解できなかった。
夢を追うのは楽しいことではないのか?
すぐに成りたいものになれるのではないのか。
なんでそんな力が必要なのか。
なんで夢を叶えると誓うことが大切なのか。
でも、よく分からなかったけど、そのおばあちゃんの知恵は僕の中にストンと落ちた。
「サナエおばちゃんもそのおまじないやってるの?」
僕は聞いた。
「やっておるよ。毎日寝る前にね。」
「そうなんだ!おばあちゃんの夢は何?」
「ゆきおには秘密に教えてあげよう。あばあちゃんの夢はね・・・」
そして祖母は、またもや僕の目を真っ直ぐ見つめて言った。
「天国のおじいちゃん、そしてゆきおの家族、私の大切な人たちがいつまでも幸せに暮らせますようにだよ。」
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