2章 秘密のおまじない

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「毎朝起きた時でもいい。夢に向かうのが辛くなった時でもいい。心を込めて十回言う。そうするとその夢はいつか叶うんだよ。」 「自分の夢を口に出して十回言う…?何のために?」 「誓うためさ。必ず夢を叶えるぞって。誰にでも無く、自分自信との誓い。 辛さに負けそうになった時、その誓いが力をくれるのさ。」 「力…?」 「そうとも!」 祖母は力強く拳を握り言った。 「 何くそ! こんな辛さに負けてたまるか! 俺は誓ったんだ! 夢を叶えるんだ! そんな自分の心の底から出る力が、夢を叶えてくれる。その為の誓いを立てるのさ。」 当時は頭ではよく理解できなかった。 夢を追うのは楽しいことではないのか? すぐに成りたいものになれるのではないのか。 なんでそんな力が必要なのか。 なんで夢を叶えると誓うことが大切なのか。 でも、よく分からなかったけど、そのおばあちゃんの知恵は僕の中にストンと落ちた。 「サナエおばちゃんもそのおまじないやってるの?」 僕は聞いた。 「やっておるよ。毎日寝る前にね。」 「そうなんだ!おばあちゃんの夢は何?」 「ゆきおには秘密に教えてあげよう。あばあちゃんの夢はね・・・」 そして祖母は、またもや僕の目を真っ直ぐ見つめて言った。 「天国のおじいちゃん、そしてゆきおの家族、私の大切な人たちがいつまでも幸せに暮らせますようにだよ。」     
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