トリプルブッキング

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 さて、システムの説明は終わったことだし、帰ってもらっていいよ。こう見えて、僕は結構忙しいんでね。  えーっと……明日の予定はっと。  まずい……。明日はガールフレンドのステファとのデートと、親友のマイクと会う約束、そして研究の発表会があったんだ。  僕の悪い癖だ。予定を確認せずに予定を入れる。これさえなければ、僕は完璧だというのに。  だが、対策は打てる。システムを使えば、この難は乗り越えられるだろう。  今日の内に動画を録画しておこう。  発表会はオリジナルの僕が出るから、ステファとマイクに会うのを分身にやってもらおう。  えーっとステファとの集合場所はっと……。  まずい……。記録していない。マイクとの集合場所も記録していない。  思い出せ。思い出せ!  そうだ! たしか、ステファとはカフェで集合。マイクとはハンバーガーショップで集合だったはずだ。よしよし……さすがは僕だ。  まずは、ステファとのデートを録画しよう。まずはカフェに行く。そしてステファと会う目的を果たす。。今日こそは僕の思いを伝える。  僕の言葉にステファが、どう返すかをよく考えるんだ。大丈夫。ステファの行動パターン、言動パターンは全て記録してある。そこから今回のパターンを推測すれば、何ら問題ない。  次にマイクとの約束を録画だ。彼はいい友人だが、少々食べ過ぎなところがある。何度もやんわりと注意しても、いつも聞いているふりだ。今回こそはビシッと言ってやらなくては。  早速、ハンバーガーショップに行く。恐らく、マイクは遅れてくるであろうから、ハンバーガーショップに着いてから、マイクが来るまでの間は動画再生を一時停止モードにするロジックを入れておこう。そして、そこから僕が説教を垂れる。  完璧だ。  
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