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なんだって!?
バカバカしさに呆れながらもカナを見る。
「何だよこの子供だましなイタズラ、こんなんで呪いにかかるわけ……な……い。な、カナ……?」
思いもよらない光景に言葉がつまる。
そこには、目を閉じ頬を赤らめ唇を尖らすカナがいた。
カナの仕草、表情に胸がドキドキする。
「何してんだよ?」
「の、呪いが……」
真剣にやってるカナを見ると少し微笑ましく思えた。
何だそういうことかよ。分かった。覚悟を決める。
カナの肩に手を置き、ゆっくりと唇を近づける。
どんどんと顔が近づいてくる。
近づくほどに胸の鼓動が高鳴る。心臓の音がカナにも聞こえるんじゃないかってくらい。
お互いの鼻息を感じるほどの距離。
もう少し……。カナとの初キス……
頑張れ俺。男になるんだ!
肉食系に生まれ変わるんだ!
いくぞ!
……と心に決めたその時。
パッとカナの目が見開いた。
そして、カナからのフレンチキス。
「おっせーよ!早くしろー!この草食系コノヤロー」
目の前の肉食系女子が荒々しく初キスを奪っていった。
どう見ても機嫌悪くなったカナ。
自分の不甲斐なさに心が落ち込む。
カナよ……どうか、俺に肉食系になる呪いをかけてくれないか?
そんなことを考えていた。
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