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コンビニのバイト明けの深夜、家に帰る途中聞きなれた声が聞こえた。 「よぉ、武瑠今帰りか?」 黒猫の姿をした妖精ケットシ―だ。 「うん・・散歩?こんな夜更けにシオンの屋敷から出たら危ないじゃない?」 「ふん、適当に散歩したら帰るさ」 「そう、じゃ気を付けてね」 「なんだよ武瑠、無愛想だな」 「深夜のシフトが続いてて眠たいんだよ」 「お前、若い癖に情けねぇな、シオンなんかこのところ毎晩女がやって来て帰ってくの明け方だぞ」 え?・・シオンのところに女? 「・・そ、そうなんだ・・そりゃまた凄いね」 シオンとは同じ大学だけど2週間程会ってない・・その間に恋人でも出来たのか? 「じゃあな、武瑠、気を付けて帰れよ」 「・・あぁ、ありがとう、おやすみ」 ケットシ―の姿はアッという間に夜の闇の中に消えてしまった。 茫然と見つめながらケットシ―の言ったことを思い浮かべてた。 シオンに・・女・・・別に今更驚くことでも無い・・シオンはあの通りの美形だ。 今迄だってモテていろんな女を側に侍らせてた・・ただ特定の相手はいなかった。 でも・・毎晩・・シオンの家にやって来て・・帰るのは明け方だと・・ケットシ―は確かに言った。 シオンは今迄、女の人を誰も家に入れたことなんて無かったのに・・うっ・・くそっ、シオンのことなんてどうでもいいじゃないか寝不足でイライラするだけだ。 俺は寝不足のせいにして家路を急いだ。 何時もは気にならないシオンの部屋の明りが気になった。 シオンの家の前を通らなければ俺の家には帰りつけ無い。 俺は無理矢理目を伏せてシオンの部屋の窓を見ないようにして自分の家に駆け込んだ。
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