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「葉山さんどうしたんですか?・・なんか暗く無いですか?」 「・・あ・・ちょっと疲れてて」 バイト先の一つ後輩の山本くんだ。 夜の9時過ぎ店内にお客が見当たらないのを確認して俺に話しかけてきた。 「バイト、キツいんじゃ無いですか?深夜のシフト殆ど一人でこなしてますもンね」 そうなんだ・・・此のところ深夜のシフトに入る人がいなくて、かれこれ二週間、俺が一人でこなしてる。 斯く言う山本くんも最近、彼女が出来たとかで10時上がりまでのシフトばかりだ。 予定も理由も無い可哀相な俺は誰もやりたがらない深夜シフトをぶっ倒れる迄こなすしかないんだ・・頑張ろう俺! 「葉山さん彼女作らないんですか?」 「へ?」 山本くんが徐に聞いてきた。 「山本くん、言葉に語弊があるよ、作らないんじゃ無くて、出来ないんだよ」 「そうなんですか?でも、葉山さんモテそうてすよね」 イヤイヤ、山本くん、君は俺をバカにしてるのかね―― 「お店にくるお客の中にも結構、葉山さん目当ての人いるみたいですよ」 「ま、まさか、そんなのいないよ」 「ホントですよ、俺、良く葉山さんのこと聞かれますよ」 「・・そうなの?」 山本くんの突然のカミングアウトに何故か落ち込み気味だった俺のテンションが少しだけ浮上した。
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