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「鈴香先輩、今日も社食行かないんですかぁ!?」 木曜日。 私は財布を持って傍に立つ文恵ちゃんに苦笑いでお弁当箱を見せる。 「ちょっと節約モードなのよね」 「えー? 社食くらい、・・・あ! 水口課長に奢ってもらえば良いじゃないですかぁ!」 フロア中に聞こえるような声でそう言うと 『いやソレはないから』という私の言葉を聞こうともせず、他の女子社員と連れだって去って行く文恵ちゃん。 一応気にして周りを見たが、此方を見ている人は誰もいなかった。 やがて他の同僚も昼食に出てしまい、オフィスはしんと静まりかえった。いつもはお弁当派の社員も居るのだがたまたま今日は私1人らしく、空調の音が妙に響く。 たまにピン、ポン、とエレベーターの音がするが 話し声もなく静かなものだ。 お弁当を食べつつスマホを弄っていた私は、ふと気づいてお箸を置いた。 そして誰も居ないのを良いことに、そのまま電話をかける。 「もしもし?・・・・・・うん、昼休みだから大丈夫。で、明日の晩だけど、・・・・・・え? そうだけど、私は行かないから。・・・・・・ええー? そんな、一人で行くよ? 別に圭介さんと一緒じゃな・・・・・、は? いやちょっと、ねえ!!」 “通話終了”――――、おい。
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