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「わあっ、留学? 凄ぉい! どおりで同い歳でもオーラが違う!!」
「・・・・文恵ちゃん、それ誰と違うって言ってるのかな?」
ジト目を向ける金崎さんに『えーっと、色んな方達と?』と疑問形で返した文恵ちゃん。
『何処に行ってたんですかぁ?』と話を続ける。
「彼は凄いよ? スタンフォード大でMBAを取ってきたんだから」
「ほおぉー」
驚いたのは金崎さんくらいで、私は一応『凄いですね』と言っておいたが文恵ちゃんはキョトンとしてる。
スタンフォードは日本でハーバードほどの知名度がないから分からないのだろう、と思ったら
「エヌビーエー?」
そこからだった。
「ハ、バスケはやらないよ俺」
「MBAだよ文恵ちゃん」
ご本人には鼻で笑われ金崎さんに突っ込まれる。
金崎さんがMBAとは何なのかよく分からない説明を頑張っていたとき、
宴会場の離れた側のドアが開いた。
「あ。私ちょっと失礼しますね」
私は早口で言うと、鞄をスタッフに預けている水口課長のもとに早足で向かう。
「お疲れ様でした、どうでしたか?」
「ああ。渋られたけど、なんとか試供品つけて取り扱ってくれることになった」
「良かったです!」
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