14897人が本棚に入れています
本棚に追加
「いえ、ちょっと。・・・・なんだか疲れが溜まっちゃってて」
「歳だねー鈴香」
「同い年じゃん!志保も」
「ちょっと志保、じゃあ私はどうなるのよ」
「先輩のパワーに敵う20代は居ませんって」
「こらっ、差ぁ付けないでよ! 私だってこの間まで」
「良いじゃないですか、ちゃんと嫁入りが決まってるんですから」
そう、実はこの先輩、来月結婚式を控えている。相手は高校時代の後輩らしい。
「彼氏さんとは高校からずっとですか? 凄いなぁ、続いてるなんて」
文恵ちゃんの声は心底羨ましそう。
本当に、長い付き合いでこれからもずっと一緒と決めただなんて、凄いと思う。
「くっついたり離れたりだったのよ? 腐れ縁っていうか、他に居なかったっつうか」
「運命の相手だった、ってコトじゃないですかぁ」
「大袈裟よぉ。志保みたいに美人なら相手には困らないんでしょうけどねー」
「相手なんか居ませんよ。つか要りませんし」
先輩にビールを注ぎ足した志保はそう言って、それから回転テーブルにあった新しいグラスを私に持たせ、ビールを注いでくれた。
「ほんっと長谷川先輩ってば、化粧品のCMに出れそうなくらい奇麗ですもんね」
最初のコメントを投稿しよう!