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そんな様子にお母さんは勿論、お父さんもことのほか嬉しそうで。
「おにーさんっ、お義母さん達のことはこの俺に任せてくださいっ!」
「いやいや、木花は名乗らなくても鈴香のご両親は俺の両親だから。お義父さん、俺も息子ですからね! 忘れないでくださいよ」
「はは、寂しい老後になる心配はなさそうだ。愉快な晩酌の楽しみも出来たし、ありがたいなぁ」
なんだか変な酔っ払いのやり取りを聞きながら、その夜は更けていった。
泊まった次の日は豊岡の伯父と伯母(華ちゃんの両親)もやって来て、一緒にお茶を飲んで翔真さんとお喋りしていった。
超絶美形ダンディで豪快な性格の伯父と、私の母よりもずっと几帳面でたおやかな美女の伯母を見送って
「華さんはハイブリッドだったか。いいとこ取りだな」
と呟いた翔真さんに
「私は?」
と尋ねると、しばらく私を見つめたあと
「鈴香は鈴香だ。唯一無二過ぎて、ご両親を見てもどうとも言えない」
と
また照れるようなことを言われて赤くなった。
連休に挟まれた出勤日に初めて指輪を着けて行くと、案の定めざとく文恵ちゃんに見つけられ主に女性陣からきゃあきゃあ騒がれたが、
「前からの指輪とバランスが良いのね」
志保は冷静に感心してくれた。
『そのためのデザインにしてくれた』と告げると、彼女の翔真さんに対する評価が数ランク上がったのは後から知った。
そして、私が右手の指輪を着けたままなのは他にも気づいた人が居て、何も知らない後輩が何気に
「右の指輪も着けたままってアリなんですね」
と言ったのに対し翔真さんがさらりと
「あれも大切な指輪だから」
と微笑んだのが噂になっていたらしい。
そういうのって当人達の前では語られないから、これもずっと後で金崎さんから聞いた話だけれど。
そして連休の後半は結婚式場探しに費やした。
留香達と柚奈さん達が挙式予定の式場は、それぞれ旅行代理店勤務の大樹や速水家経営のレストランとつながりのあるホテル。
どちらを選んでもなー、ということで華ちゃん達が挙式した所を見に行こうとすると華ちゃんが
「アンタが大泣きして恥かいた所だけど?」
「・・・・・・・・。」
ということで、インターネットで別の式場を探してみた。
結果、緑に囲まれたわりに交通の便が良い場所にある式場を見つけて訪れ、温かな雰囲気とスタッフの感じの良さに2人とも気をよくして、その日のうちに決めてしまった。
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