第1章

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 暫くして台から降りると、 背後に花純が立っていた。 開けっ放しにしていたドアから入ってきてしまったのだろう。 花純は純一を真似て、 木箱に足をかけようとする。  「花純はダメ!」  純一がそう叫んで花純の手を強く引っぱると、 彼女は尻餅をついて大声で泣き出した。  その声に気付いた富夫が飛んできて、 釜の前で手足をバタつかせる花純を怒鳴りつける。  「また、 おめえは、 こんなとこで遊んで。 痛い目みんと、 わからんがあけぇ」  そう言って花純の右手を掴むと、 その指先を鉄釜の縁に押し当てた。 「ギャーッ」と、 まさに火がついたように花純は喚いた。
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