ふたりぼっちの夜

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 新千歳空港へは二時過ぎに到着。ばあちゃんの待ってる病院へ到着したのは三時頃だった。  翌日の夜、自宅でお通夜をして、次の日、近所にあるセレモニーホールで葬式をした。 葬式が終わり携帯を見ると、課長からのメールが入っていた。「一週間忌引き休暇で休めるから、ゆっくりしてこい」というメッセージ。  俺はそれに「ありがとうございます」と返した。  葬式の翌朝、鍵も何も掛かっていない玄関がガラガラと開く音がした。 「おはようございます」  男の人の声。  玄関に出てみるとそこにいたのは課長だった。 「……あ」  いるはずがない課長。俺はお礼とかいろいろ言わなきゃいけなかった。でも、なに一つ言葉がでてこない。ただ立ち尽くすだけだった。 「有休が、余ってるから」  課長は不器用な言い訳をして、苦笑いした。その不器用な笑顔を見て、部下のくせに、新米のくせに、俺は……。  ポテポテと歩み寄り、首を触りながら課長の前に立って言った。 「……嬉しいです」 おわり
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