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何年か後になって、たくましく成長した王子に竜は討たれました。その巣には、5頭の飛竜の雛と、食いちぎられた子どもの骨があったそうです。
王子は人知れず泣きました。自らの部屋に籠り、泣いて泣いて泣き明かしました。涙が枯れ果てた時に、王子の心には揺るがぬ小さな意思がありました。
そしてその時には、王国に沢山の魔物が攻め入っていり、略奪を繰り返していました。王女を攫った飛竜もまた、魔王のいる魔の大陸から来たのだと学者たちは言いました。
これは、せかいが平和になるだいぶ前のお話。
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