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――兵団の船を3隻沈めたその魔物は、その日のうちに王子によって討たれました。青黒く、8本の足を持った醜悪な魔物でした。
腹を裂いてみると、いくつもの死体がありました。そしてその中に本くらいの薄さに潰れた魔導士もいました。
王子は悲しむ素振りも見せず、死んだ者たちの埋葬を行うように指示し、自身もその作業を手伝っていました。
遅いんだ、と王子が呟いたのを沢山の兵士が耳にしたそうです。
これは、せかいが平和になるすこし前のおはなし。
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