妻を看取る。

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翌朝、これまでにない程すっきりと冴え渡った意識で目を覚ました私を待っていたのは。 すやすやと寝息をたてる妻の 安らかな寝顔だった。 勿論我が目を疑った。 昨日確かに息を引き取ったはずの妻が、今はすうすうと寝息をたてながら、深く眠っているのだ。 脈もある。みるみる冷たくなっていったはずの肌は、今は温もりを取り戻している。 ーーー何が起こったのだ。 あれは、夢だったのか。 魔が差した心の闇が見せた、暗い願望か。 だとしたら、私は。 私という人間は、なんと、罪深い。 妻の最期を願って、看取る幻想を見るとは。 情け知らずの鬼畜生だ。
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