妻を看取る。
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眠る妻の髪を撫でる。 ごわごわとした手触りに、ふと涙が零れた。 嗚呼、妻は生きている。 素直に喜べた自分に、酷く安堵した。 程なくして目を覚ました妻は、とても不思議そうな顔で、ここは天国ですか、と尋ねた。 矢張り妻も、一度自分が死んだものだと思ったようだった。 ーーーまた、あなたを困らせてしまいますね。 目に涙を一杯溜めながら、妻の方が余程困っているようだった。
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