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妻は今、全身全霊で歓喜を表現していた。妻の存在自体が、生きていることの歓喜そのものだった。
妻の看病で疲れ切っていた私も、同じように若返った気すらした。実際にはあの奇妙な老化現象が始まってから、ふた月程しか経っていなかった筈だが、それでも随分と私も年を取ってしまったような気がしていたのだ。妻と共に。
今、目の前にいるのは、あの日、あの朝、別れた時のままの、喜びに満ちた若々しい妻だった。
奇蹟だろうと何だろうと構わない。
遂に我々は取り戻したのだ。
過去を、自由を、若さを、そして日常を。
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