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「それ、
さっき風で飛んだのをちょうどマヤが拾ったんです。
砂場で山にしか見えないお城を作っているとき、
ちょうど砂場にストーンって落ちてきて」
女性はストーンという部分で手を水平にし、
下げるジェスチャーを交えた。
綺麗な顔立ちからは想像がつかない行動に、
意外ととっつきやすくひょうきんな人なのかもしれない、
と僕は感じ始めていた。
「どうして僕のだ、
って分かったんですか?」
すると女性はくすくすと笑い、
口を開いた。
「だって本を読んでいるのが君しかいなかったから」
「あっ」
僕は公園内をもう一度見渡した。
他にもベンチがあり、
人が座っているが本を読んでいるのは僕だけだった。
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