第1章

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 僕は刻まれた月夜公園の文字を指でなぞった。 ひんやりとした感触が指先に伝わる。 公園の中に目をやると、 数名の子どもたちの姿が見えた。 横には母親らしき女性が様子を見守っている。 ジャングルジムの上で腰を下ろし、 周囲を眺めている男の子もいれば、 砂場で砂を積み重ねて山を作っている子どもたちもいた。  僕の愛用しているベンチは・・・  月夜公園に足を運ぶと僕はいつも決まったベンチに腰を下ろす。 そこでぼーとしてみたり、 スマホをいじってみたり、 公園にいる人々を観察したり、 読書を楽しんだり、 とやることはたくさんあった。 何も考えず呆けてみるのもいいかもしれないな、 と僕は胸の内で呟いた。
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