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「携帯でサーチかけてここがどこか確認して家に電話入れて。今日は友達のところに泊まるって伝えて、コンビニ行って食料品買って。ここのビーチのトイレは地元の人が管理してるからすごく綺麗で助かった」 「それって、一晩ここにいたってことかな?」 こくりと頷く。 おいおい。危ないでしょう。君結構かわいいよ。 無事でよかったけど、夏場のビーチは暴走族や走り屋がはびこっている。 因みに昨日は別のもんが暴走してた。台風怖くなかったのか? 自分が親なら怒鳴ってるところだ。 「台風は怖くない。今は人が怖い」 かすかに震えている手は今にもペットボトルを取り落としそうだ。 「六時ごろには風も止んでたから朝のコーヒーを買いに行く前に砂浜に下りてみたの。誰もいない砂浜に足跡をつけたくて」 僕も好きだな。まっさらな砂の上に自分だけの足跡をつけるのは。 「あんまり静かで、足が砂にめり込む感覚が楽しくてつい波の際まで行ってしまって。あっと思った時には緩かったけど波が来て、足を濡らしていった。 私知らなかった。波って引いて行く時、砂も持っていくのね」 そうだよ。 足元の砂も持っていく。日本海側は特に波の力が強い。ぼんやりしていると足元が掬われる。このビーチは毎年砂を中国あたりから購入して入れなおしている。そうしないと砂を全部持っていかれてごつごつの岩だらけになる。     
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