1999人が本棚に入れています
本棚に追加
いつか京介にも、他の人たちがそうであるように、本命の彼女ができるだろう。そしていつか結婚して、子供ができたりして、俺よりも大事なものを守る人生へと進んでいく。でもそれまでの間だけ、京介が他の誰よりも俺を優先してくれる状態に身を委ねていたい。
いつか別れる時が来る。それは京介ももちろん同じだ。でもそれでも、他の元カノたちとは違う。今さら親しくなることにセーブなんてかけられない。京介のことだから、彼女が出来て、結婚しても、しばらくは友だち付き合いを続けられるかもしれない。ゆっくり、ゆっくり、俺から遠ざかっていくのだろう。
(京介が心底好きになった彼女ができたその時は……)
もう何度もシュミレーションしてきた。だからその日がいつ来ても大丈夫だと、自分に何度も何度も言い聞かせている。その時の衝撃に備えて、精一杯喜んであげようと想像を繰り返す。
できればあと一、二年は、今が続けばいいと願いながら。
最初のコメントを投稿しよう!