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「しかし、万が一と言うこともあります。よければ僕に調べさせてもらえませんか?もしも光ディスクだとしたら、何か驚くべきデータが保存されているかもしれませんよ。それこそ世紀の大発見だ」
助手の提言にジョーンズはしばらく逡巡してから、
「そうだな。可能性を頭から否定しては学者の名が廃る。よし。これは君に任せるとしよう」
二人は出土した何枚もの円盤を丁寧に保管箱へと収めると、テントへと戻った。
「驚いた……まさか本当にこれが光ディスクだとは……」
目を丸めるジョーンズを一瞥してから、その隣で助手が興奮気味にコンピュータのモニターを指さした。
「ここに、ちゃんとデータが記録されていた形跡もあります。でも、5000年も前のものですから、中身をちゃんと見られるかどうか……」
彼は言いながらキーボードを叩いた。
「ああ、どうやらデータは動画のようですよ」
「なんだって?」と助手の肩を叩く。
「早く。早くそれを再生してみなさい」
「残念ながら博士。先ほども言ったように、5000年前のものですから破損しているようです」
「なに?じゃあ見ることはできなのか?」
「いえ、なんとか修復はできそうです。でも断片的に、ですけど」
しばらくコンピュータを操作していた助手が、これでどうだと言いたげに一つのキーを叩くと、モニターに動画が映し出された。
高層ビルが立ち並ぶ街の中、それを超えるような巨大な怪獣が闊歩していた。それを迎え撃つように戦車が砲撃を加えるものの全く効果がなく、逆に怪獣が吐き出した炎であっけなく爆破され……そこで動画は途切れた。
ジョーンズと助手は呆然とした顔を見合わせた。
「5000年前には、こんな化け物がいたのか……」
「もしかして、この怪獣のせいで、文明が滅んでしまったのでしょうか?」
「それは、現時点ではわからんよ。もっと調べてみないことには」
「では、ほかのディスクも見てみましょうか」
助手は別のディスクを装置に入れた。画面を睨みながらキーボードを叩くうち、
「これも、動画ですね。一応、再生してみます」
モニターに映像が流れる。
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