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嫌らしい笑みを浮かべると女の鼻の下で中指と親指を擦った。
白檀と没薬といくつかの劇薬を調合した精油に呪文をのせる。
「あっ」
女は急に身体を震わせ、顔を真っ赤にして身もだえた。
「街で身体を売って金を作るかい?」
キリエルは意地悪い笑みを浮かべながら、女の上に被さる。スカートの中に手を伸ばし、下穿きの上から身体に触れる。
「ひぃ」
女はぐしょぐしょになっているそこを恥じて唇を噛んだ。
キリエルの催淫の術のためとは知らぬ女は自身の反応に傷ついていた。
「おやめ下さい。夫に、夫に知られたら殺されます」
キリエルは華奢な方だがひ弱な男でもない。
組み敷かれては身動きがとれない。
しかし、女はキリエルの下にこそいたが、押さえ付けられてはいない。
下半身の疼きが女の判断を狂わせていた。
「娘がっ、娘の前では」
突然、女はキリエルの下から這い出そうとした。
「お母様っ」
小柄な娘が走ってくる。
キリエルはとっさに催淫の術をかけた。
性徴前の乙女ならば眠ってしまうはずだった。
娘が倒れ込むのをみて、キリエルは女を犯しにかかった。
「娘は眠っている」
女は安心したのか、覚悟を決めたのか、快楽に身を任せた。
キリエルは知らなかった。自分のかけた術で淫らになる女たちの心が必ずしも自分に対して乱れているわけではないということを。
果てて眠りについた女が夫の名を叫んでいたことを。
気配に振り返ると小柄だが大人の娘が腰を抜かして震えていた。
キリエルは首を傾げる。
「生娘か?」
「け、ケダモノっ」
その娘の声が悲鳴からよがり声にかわる頃、女が目を覚ました。
キリエルは女に二人の結合部分を見せつけた。
娘は母親が目を覚ましたことに気付かず、体勢を変えられてた新たな刺激で歓喜に喘ぎ、快楽に溺れている。
母親は言葉にならない奇声をあげてキリエルを娘から引きはがそうとした。
キリエルはそれを嫉妬と受け止めて笑う。
綺麗な容姿からは想像できないほど、キリエルは性根の腐った男だ。
女の心も母の心も理解しない。
技と魔術で無理矢理肉体の喜びを与えられても、心は傷付くだけだというのに。
女を引き寄せ、口づけをする。催淫の術が解けきれていない女は崩れ落ちてしまう。
「ああ、魔術師様、魔術師様、お情けを…」
娘の啜り泣くような喘ぎは、キリエルを受け入れたかに聞こえる。
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