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僕の仕事はつまらない。 最初の頃は新鮮な気持ちで取り組んだのだろうが、何度も同じことを繰り返していくうちに飽きてしまった。 もはやそんな時代があったことすら思い出せないのだが。とはいえ、仕事とはそういうものかもしれない。 僕の仕事は伝記を書くことだ。僕は裁きを行う存在の下で、せっせと毎日伝記を書いている。 存在、と曖昧に表現したのは、それが神様だったり、英霊だったり、特定の個人だったりと幅広すぎて一概には言えないからだ。 死後、裁きを受けねばならない宗教は枚挙に暇がない。 もちろん宗教によってその決断を下す存在は違うのだろうが、いかんせん死者の数が多すぎて対処しきれない。 今なお増え続ける地球上にいる全ての人間がいずれ死者になることを考えると、目眩がしてくる。 そこで、僕達がその人の伝記を作り上げ、それを読んで判断するという流れが自然になっていった。 僕のところには色々な人がやってくる。 もちろん無作為に割り振られるから、僕でない人に違うやり方で伝記を書いてもらう人だっているだろう。 会ったことはないし、知らないが。
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