外道たるもの己が手を汚すべからず

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─魔王城玉座の間─ 魔王『ぐはははは!勇者よ!この程度のレベルで我を倒せると思うたか!?』 見るからに魔王然とした骨面に、うねった様な太くて黒い角を生やし、ボロボロのローブに身を包む巨漢が嬉々として声を挙げる。 勇者「くっ!なんて化け物だ!こっちの攻撃は全然効かないじゃないか!」 いかにも勇者っぽい全身白い鎧のフルプレートが、魔王の放つ魔法を盾で防ぎながら溢す。 僧侶「勇者!このままじゃ全滅よ!?魔力ももう尽きてしまうわ!」 二つの豊満な…もとい、極端に胸の主張が激しい僧侶が回復魔法を勇者に掛けながら苦しそうに叫ぶ。 魔王『たかだかLV100程度で我に勝とうなぞ!呆れて本気も出せんわ!見逃してやるから早く消え失せるがよい』 そういうと魔王は今までバリバリと放っていた魔法を止め、くるりと勇者PTに背を向けた。 僧侶「な…!?ふざけないで!!!見逃してやるですって?どういう思いで私達がここにきたと思っているの!?」 魔王の態度に頭に来たのか、僧侶が声を荒げて持っていた杖をブンブンと振り回す。 魔王『ふははは!僧侶よ実力の伴わぬ奴に文句を言う資格なぞないわ!悪い事は言わぬから主張するのはその胸だけにしておくのじゃな』 骨面の目元を下品に歪め、魔王は僧侶の胸を指差しながらケタケタと蔑む。 僧侶「…っ!?」 僧侶は胸の事を気にしていたのか、隠しきれない胸を腕で隠し、涙を浮かべてその場に力無く座り込んでしまう。 勇者「おのれ!魔王め!」 勇者は歯を食いしばり、魔王を睨みつける。 魔王『虫けらに用は無い。もう一度レベルを上げて出直して来るがよい。どれ始まりの村へ送り返してやろうぞ』 そう言って魔王は勇者PTへ転移魔法を掛け始める。 狩人「勇者殿!!」 勇者「みんな集まれ!バラバラに飛ばされたらおしまいだ!」 僧侶「…魔王っ!貴方は必ず私が殺してやる!」 バシュンッ! 僧侶の言葉を最後に勇者PTは、忽然と姿を消した。 魔王『しかし、ここまで来ておいて何故LVが100なのだ?我の配置した魔物を狩っていればLV300位はくだらぬはず…』 魔王は首を傾げ、「はて?」と考え事をしている。 司令官「魔王様」 魔王『おお、司令官。今しがた勇者PTを始まりの村へ送り返してやったところじゃ』 後ろから声をかけられ、魔王は声のした方へ振り返る。
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