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とある小学校の3年生が、社会科見学で未来科学館にやって来た。
展示物を見たり解説を聞いたりしながら順番に巡っていき、やがて生徒たちはあるコーナーの一角に集められた。
そのコーナーを担当するスタッフが、笑顔で生徒たちに質問した。
「みんなは将来の夢はあるかな?」
「はい!」「はーい」「はいはい!」返事とともに元気よく手を挙げる生徒たち。
「ここはみんなが将来なりたい職業がどんなものなのか、目で見て体験できちゃうコーナーです」
そう言って担当者は後ろ手に組んでいた手を前に回し、持っていたものを生徒たちに見せた。
それはゴーグルだった。このゴーグルを装着すれば、なりたい職業の人間が目にしている光景を間接的に見ることができる。つまり、バーチャルリアリティ体験をさせることにより疑似的に夢を叶えることができるのだ。
「今からこのゴーグルを配りますので、順番に将来なりたい職業を言ってください」
「オレ、サッカー選手!」
「あたしアイドル!」
「俺は消防士だ」
「僕はズバリ政治家です」
それぞれの夢に設定したゴーグルを装着し、生徒たちはバーチャル世界に飛び込んでいった。
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