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「あのさぁ、くーさん…そしたらさぁ、午後の授業ふけない?ゲーセンとか行こうよ。」
「ふぅ…」
「あたしもたるいしさ、パーッとやろうよ。奢るよ!マジで。」
「馬鹿ツヴァイ(バカ×2の意味)!」
勢いよく九鬼に頬を張られて吹っ飛ぶ自分。席二つ分を通り越し、そこに座っていた
色白西洋風ロリでポイント高しの“上村みぬき(カミムラミヌキ)”が
吹っ飛ぶあたしをナイスキャッチで受け止めた。
「ど~したの~?」
「あ、みぬちゃん、助かっ…」
と思う間もなく白い歯見せて笑ったみぬきが、もう一度あたしを九鬼の前に放り返す。またまたガッチリ彼女に掴まれたあたしは、今度は全身が、軋むくらいに抱きしめられる。
「駄目だよ!!ふぅ!授業はちゃんと受けなきゃ!」
「う、うん、そうだよね。ゴメン、くーさん。だから。」
「よく聞こえない、イエス?イエスっていいなよ。」
「い、いえ、てか骨が…折れる。」
意識を失いかけるあたしと、それを面白そうに見つめるみぬきに、顔面血だらけで蘇った
やーさんが「やっべ!再びのガチだ!」とはしゃぐ。そう言えば以前、九鬼の超和風な家で勉強中に、あたしのノートに貼ってあったアニメキャラのシールの件で丸一日、全裸で
座敷牢に監禁された事があった。絶対、マジで…絶対…何とかしな…そこで意識が途切れた…
要はテレビを見れなくすればいいのだ。3時間目(ほとんど記憶がない。)の休憩時間
10分を利用し、視聴覚室に手早く侵入する。友人のラインで2時間目に他クラスが教室を使用した事がわかっている。
「ふぅがめっちゃ映ってたね。あたしは気づいたけど、他の子は「ん?」って感じ。大丈夫じゃない?」
色々こちらの事情通な友人は、楽天的な文章をよこしてくれる。だが、不味い!あのノリの良いフォクシー先生なら
「あらあらぁ~皆さんのお友達が映っていますネ~?誰デスか~?」
なんて言う!絶対言う!機材の前に立ったあたしは、その時、こちらを振り向く九鬼の表情を想像し、身震いした。
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