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東
京駅
東北上越
新幹線乗り入れホーム──
ホームに停車している東北新幹線『
やまびこ51号』其の車内から下りて来る
1人の男、寅です。身長181㎝の長身に、
黒いダウンのハーフコートを小脇に抱え、サ
ングラスを頭の上に乗せ、スラリと伸びた
長脚をジーンズとスウェード
シューズで包み、
乗車チケッ
トを
上
着の
ポケットから
取り出し、一直線に改札口
連絡通路へと向かって居ます♪
東京駅は、丸の内寄りが中央線のホームと
なっています。私達はホームに下りると、一
目散に連絡通路へと向かい、買い付けで仙台
から帰京する、利香ちゃんの父親の寅を迎え
に改札口へとやって来ました♪
私は、新幹線連絡口へと視線をやり、其の
瞳を輝かせて居りました♪利香ちゃんも又、
1週間振りの父との対面に、胸をワクワクと
躍らせて居ます♪私の見立てで購入した、
スカートとブーツですっかり
大変身した自分の
姿に大満足
で、
「パパ、吃驚だろなぁ~♪」(笑)
そ
んな
中、私の
容姿とファッションに、
其の前を往来する老若紳士の誰もが、視線
を投げ遣り、完成された美貌とセンスに眼を
奪われて居ました♪其の光景を誇らしげに見
つつも、私の意識は寅一筋で連絡口へと、
視線を向けて居ます♪
「凄いネ♪皆、おねぇちゃんの
事、見ていくよ♪
あたしも、そうなりたいなァ♪」
と、羨ましそうに訴えました♪
「そぉ~、大丈夫よ♪視線は私
だけじゃなく、利香ちゃんにもだ
し、私以上の良い女になれるから
自信持って♪」(笑)
其
所へ、
注目を浴びる
私達とは別に、1人の長身の
男性が連絡口から現れて、中央口改札前の
私達にツカツカと、歩み寄って来ました♪
「あッ、パパだッ!ま、まずい.....」
注目を浴びた事に浮かれ、柱とかの陰に
隠れる事を忘れてしまった
利香ちゃん
♪
「まって、もぉ遅いかも....」
と、気まずそうに促す私。
私達の前に立ち止まり、
「やっぱなッ、俺を驚かすつもり
だったんだなッ♪」
「ゴメンナサイ……」
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