第1章 初恋の瞬間

2/2
前へ
/12ページ
次へ
そしてその私よりはるかに自由奔放で破天荒な男子小学生は、私の幼馴染でした。 名前を、矢野 琥太郎といいます。 彼はとにかくやんちゃで、虫を机に飼うわ、おびただしい数のザリガニを教室の水槽で飼い始めるわ、帰り道はしょっちゅう川の中で魚を捕まえようとするわで、田舎の健全すぎる小学生を絵に描いたような男の子でした。 彼のやんちゃな性分は中学でも変わりませんでした。 私が下校していると川をじっと見つめる矢野の姿。 そのうち彼はズボンをまくって魚たちのテリトリーに侵入を始めました。 私は声をかけようにもなんと言えばいいのかわからずスルーして帰宅しました。 その頃、私は琥太郎への恋心をはっきりと自覚し始めていたのです。
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加