第2章 蝶

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「志帆!聞いたよ、凄いじゃん、駅伝区間新記録とか!」 「雪菜~、ありがとう!」 「朝倉、このまま全国大会まで行ってくれよー!お前は我が北高陸上部の顔だ!」 「先生、私は陸上部じゃないですよー」 「そうっすよ、西野先生ー。うちの志帆ちゃんを陸部に勧誘しないで?」 「うーん、その実力は是非インターハイで発揮してもらいたいが、陸部に入ってないと出場できんからなあ」 「先生、私はあくまで助っ人ですよ~、別にインターハイは出なくていいんで、陸部には入りません笑」 「全く君は、欲がないというか弓道一筋というか…」 そう、今北高一…いや、京都一の脚力と持久力を持っていたのが私、朝倉志帆である。 私はこの足の速さで入学直後の体力テストで頭角を現し、今や誰もが知る弓道部のランナーなのだ。 そうして一躍有名になると人脈は増えるもので、私は無事この高校で居場所を見つけられた。
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