第1章 初恋の瞬間

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第1章 初恋の瞬間

初恋の瞬間って、みなさん覚えてます? なんとなく異性を意識し始めて、気づいたら好きで、それが初恋だった。 そういうものだと思います。 でもね。私ははっきりと覚えているんです。 理科の実験で水素がポンという実験をしたんですが、あんな感じでした。 給食の時、自由奔放な性分で不思議ちゃんといった感じの女の子だった私は、椅子からのけぞってさかさまに教室を眺めてぼーっとしていました。 そしたら後ろの班の男子が真似っこしてさかさまにのけぞって、満面の笑顔でさかさまの私の世界の中に割り込んできたのです。 あの瞬間。私の中で水素がポンと燃えたような何か小さな爆発がありました。 あの瞬間、私は人生で初めて恋に落ちたのです。 それが私の初恋の決定的瞬間でした。
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