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王立学園に戻ったのは夕食前だった。離れて数日しか経っていないのに、なんだかとても長い期間いなかったような懐かしささえ覚えた。
名残惜しいが貴族専用の寮で馬車を降りようとしたら王弟殿下に引き留められた。
「……今夜は私たちの寮で過ごしてくれないか?」
「え……でも夕食、とか……」
「ユーリエの分も用意するように言ってある」
「明日も授業が……」
「今夜は何もしない。ただ一緒にいたいんだ。だめかな?」
そんな縋るような目をして言われたら逆らえないではないか。私は頬が熱くなるのを感じながらコクリと頷いた。
結果として、最後まではされなかったと言っておこう。
これからのことを2人でじっくりと話し合った。
結婚をしてからも学園に通いたいこと。なので子どもを作るのは私が学園を卒業してからにしてほしいと言った。パーティーの日も殿下はきちんと避妊してくれたと聞いてほっとした。男性が飲む避妊薬というものがあるらしい。
「まだ急ぐこともないしね。ユーリエが欲しいなら避妊はやめるけど」
まだ考えられません、ごめんなさい。
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