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「だからね! 貴女にはあの子を幸せにする義務があるのよ!」
ビシッ! と指を突き付けられた。
はあ。
そんなことは寝耳に水だ。夢枕に女神だ。
「でも、さすがに初めてで2回されるのはないと思うんですが」
「あら~、我慢できなかったのね~。でもね、現世ではあの子も”初めて”だったから許してあげて!」
「え」
「だって『運命の人』は『運命の人』同士でしか身体が反応しないようになってるから!」
とんでもないことを聞かされて、私は頭がくらくらするのを感じた。
つまり、その……殿下はずっと……。
「ってことだから、末永く仲良くねー!! 間違っても逃げようなんてしたら、きっと監禁されちゃうからっ! 貴方たちの愛し合いっぷり、楽しみにしてるわー!」
「え? ちょっ……!」
女神は言うだけ言うと姿を消した。聞いた限りではなんだかこれからも監視されるようである。
そして私は目覚めた。
「おはよう、ユーリエ」
目の前に心臓に悪い美貌。言わずと知れた金髪碧眼の王弟殿下だった。
起きたら寝顔を超絶美形に至近距離で見つめられていたなんて、なんという大人向け恋愛小説のような展開だろう。しかもそのままちゅ、ちゅと瞼や頬に優しく口づけられてしまうなんて……。
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