17.朝から溺愛はほどほどに願います

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17.朝から溺愛はほどほどに願います

 翌朝、私は途方に暮れていた。  昨夜続けて二回も殿下に抱かれ、気を失うようにして眠りについた。  夢さえも見ないであろう深い眠りの中で、私は自分のことを”運命の女神”とのたまう超絶美人に会ったのだった。 「初夜完遂おめでとー!!」 「……どちらさまですか?」  なんだかよくわからない円錐形の物を向けられてパァン! と音が鳴ったかと思うとひらひらした紐のようなものがいくつもこちらに向けて出てきた。なんだこれ? 「あれー? 女の子の方に出ちゃった。あたしってばお茶目さん!」  てへっと舌を出して小首を傾げる美女。なんかシュールだ。 「あの……すいませんが貴女は……」 「あ、ごめんね! あたしは”運命の女神”って呼ばれてるの」  私は目を丸くした。女神? 本当に? 「ホントよ、ホント! 貴女の運命の人だって私が拾い上げて、この国で会わせてあげたんだから!」 「……え?」  女神のテンションが高すぎてすごく話が聞きとりづらかったが、コンセイトについて尋ねてみると、彼は前世で私にずっと恋焦がれたまま亡くなったらしい。そしてその記憶を抱えたまま現世に生まれてきたのだという。     
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