17.朝から溺愛はほどほどに願います

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 笑顔なのに目が怖い。緑がかった青い瞳が微妙に赤く変化していくように見えて、私は目を丸くした。 「……殿下の、目……」 「……ああ、いけない……」  呟くと殿下ははっとしたような顔をして目を閉じた。 「ごめん、怖がらせてしまったかな?」  そう言って再び開いた目は見間違えかと思うほどいつも通りで。  あ、これ指摘しちゃいけないやつだとさすがの私でも気付いた。ふるふると首を振る。 「で、女神がなんだって?」  それに関しては聞き逃してくれないらしい。裸のままでいるのはとても恥ずかしかったので(起きたらお互い裸だったのだ。しかも2人で1枚のシーツにくるまっていた)、ガウンを取ってきてもらい羽織らせてもらってから、夢の中での会話を思い出し思い出し全て話すことになった。  殿下は聞き終えるとはーっとため息をついた。そして目元を押さえる。 「……前世から想っていたのは確かだけど、ユーリエは聞いてどう思った?」 「んー……正直すごいなって。私そこまで想ってもらえるほどなにかしたんですか?」  殿下は首を振った。じゃあなんで。     
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