17.朝から溺愛はほどほどに願います

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「私が一方的に貴女に一目惚れしただけだよ。貴女を探して、見つけて、でも届かなくて。心残りのまま死んだんだね。それを女神が見つけてこの国に転生させてくれた。今こうして貴女が私の腕に中にいるなんて夢みたいだよ……」  殿下の言っていることは抽象的でよくわからなかった。女神の話もそうだったけど前世の私の姿が全く見えてこない。 「その……前世の私とここが違うとか幻滅したりはないんですか?」  おそるおそる尋ねてみると、「それはない」と即座に否定された。 「ユーリエはユーリエだ。彼女と同じ魂を持っている貴女がここにいるだけで私は満足だよ。それより、ユーリエこそ私に幻滅はしていない?」  少し心配そうに聞かれて私は首を振った。  それにしてももしかして前世の私は早死にでもしたのだろうか。どこにいてどんな人だったのかくらい教えてほしいと思ったが、とても劣悪な環境にいたとか言われたらへこむのでもう考えないことにした。殿下の言う通り私は私だ。  そのまま殿下が私の口唇にちゅ、ちゅ、と口づけを落とし始める。口づけだけで済めばいいばその先も求められたらどうしたらいいのだろう。内心慌てていたら、  ぐうううう~~~~  盛大に私の腹の虫が鳴って、私はこれ以上ないぐらい真っ赤になったと思う。  だ、抱かれたって色気なんてそう簡単につくものじゃないっ!
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