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そういえば殿下はまだガウン姿だった。もしやその恰好のままで部屋の表へ出たのかしら。
「殿下……お着替えは……」
「運んできてもらうように言ったから大丈夫だよ。でもどうせ今日は夕食までここで過ごすしね」
「え」
「2人でゆっくりしよう。どこか痛むところはない?」
そう尋ねられてあらぬところの不快感を思い出したが、ふるふると首を振った。痛いと言って「見せて?」なんて言われて見られたら死ぬ! 舌噛んで死ぬわ!
「ふうん?」
ベッドに腰掛ける殿下がひどく色っぽい。朝じゃないんですか? もしかしたら昼近かったりしませんか?
私にその美しい顔(かんばせ)を近づけて、
「じゃあ……今夜も抱いていいかな」
ひどく嬉しそうにとんでもないことをのたまった。私は一瞬固まったが、そのままでは身体の危機! と急いでぶんぶんと首を振った。
「ユーリエ、痛むところはないんだろう?」
「い、いいい痛いわけではないですけど、そ、その……ええと、なんというか不快感というか……」
「それはいけない。見せてごらん」
「だ、だだだだめですっっ! そんなところ見ちゃいけないんですーーーーーっっ!!」
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