17.朝から溺愛はほどほどに願います

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 それから着替えをするのしないの、自分で移動するのしないのとやいのやいの言い争ったあげく、現在居間で殿下のお膝に乗せられて食事中です。新品の下着(紺色の太ももまで覆うレースのスリップとショーツ)を身につけた上にガウンを羽織っているというなんとも心もとない格好である。殿下はもう上下で着ているのにあんまりだ。一応部屋着なのかシャツとズボンはそれほどかっちりしたものではないが、私は恨めしそうに殿下を見た。 「ユーリエ、どうしたんだい? パンが足りない?」 「……パンにバターを塗ってください。スープも飲みたいです」  膝に乗せられている為うまくテーブルに手が届かないのだ。しかもこの様子を部屋の隅に控えている侍女たちに見られているわけである。なんの羞恥プレイなんだ。ごはんぐらい自分で食べさせろ。しかし再び言い争ってもごはんが冷めるだけなのでしかたなく殿下に世話をされるままでいた。一応食器を下げられた後文句は言わせてもらったが。 「ごはんは自分のペースで好きなように食べたいです」 「そうだね。でも一度やってみたかったんだ。許してくれるかい?」     
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