甘辛な時間

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 なんとか靴を脱いで上がると、 真美子が選んだ玄関マットがない。 (捨てたんだ)  思わず思い出す日常に、 涙が溢れそうになる。  泣いてる場合じゃないし、 宗次郎との時間を大切にしたい。  それなのに、 思ったよりも真美子の思い出は鮮明によみがえる。  不意に手を引かれて、 凜乃が顔を上げると、 宗次郎が心配そうな顔をしている。
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