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ピクニックに行こうと言い出したのは、
凜乃だ。
「凜乃。
本当にここで良かったの? 美味しいご飯とか、
遊園地とか、
色々あるのに」
真美子が不思議そうに凜乃を見つめてくるが、
凜乃はにこりと笑った。
「うん! お母さんのお弁当が食べたかったの」
本心だし、
嘘はない。
でも、
隠していることはある。
レストランや遊園地は、
父親がいる家族がいる。
気にしないと思えばどうってことはないかもしれない。
でも、
自分の誕生日にわざわざ周りに気を使うのは嫌だ。
この広い公園なら、
目に入ってきても小さいものだし、
大して気になることもない。
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