プロローグ~最悪の誕生日~

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(お父さんはどこの誰なんだろう?)  不意に思いながら、 おにぎりにかぶりつくと、 真美子に笑われた。 「美味しそうに食べるわね。 今日は朝から頑張って良かった!」 「凜乃の好きなシャケだもん!」  鼻歌を歌いながら、 凜乃はすぐにおにぎりを一個食べ終えた。  もうひとつおにぎりを掴んで食べようとした時、 不意にサッカーボールが転がってきた。  思わず手を伸ばすと、 優し気な男性が頭を下げながら走ってくる。  しまったと思った時には遅く、 凜乃は食べかけのおにぎりを置いて、 男性に渡していた。
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