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「すごい男だな。菱川少尉がこの訓練で完全勝利を収めたそうだ。彼はやるな」
タツオは唇をかんだ。悔しくてたまらない。ジョージは寄せ集めの兵士で、自分たちよりも遥かに素晴らしい成績を収めたのだ。
「兄さん、ジョージはどんな作戦を遂行したんですか」
逆島少佐は弟を見て、無感情にいった。
「それは菱川少尉に直接聞いたほうがいい。わたしのところにもまだ情報がすくない」
指揮官さえ優秀なら、この戦闘訓練は勝てたかもしれないのだ。タツオの胸はともに戦った兵士たちへの申し訳ない思いで苦く満たされた。
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