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タツオは秋の日ざしが落ちる黒土の上におかしな形で身体を固定され横たわっていた。背中を撃たれたので、弓のように身体が反っているのだ。さっきまでは柔軟だった戦闘服は、かちかちに硬化して骨折治療のギプスのようだ。
「敵襲! 総攻撃がくる!」
倒れたまま声を張りあげた。味方の陣地に無事に戻れたのは、テルとジャクヤと兄・継雄それに足を撃たれたが奮戦中のクニだった。戦死扱いはサイコとマルミと自分だ。目標時間まで残りは1時間を切っている。まだ半分以上の戦力が残っていた。
「なんとか粘るんだ。迎え撃て!」
残された4人は残された弾丸をばら撒いていた。ここを攻め落とされたら、もう逃げる場所はない。弾を残しても意味はないのだ。
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