63人が本棚に入れています
本棚に追加
敵はまだ兵力を3分の2以上温存していた。半円形になり4足歩行の戦闘ロボットを先頭に押し立てて、友のいる陣地を包囲しようとしている。
味方は全力で迎撃の掃射を行っているが、多勢に無勢で次第に敵との距離が縮まってきた。戦闘ロボットは陣地の周辺を駆けまわりながら、正確な射撃が可能だ。
「クソ!」
叫び声でテルだとわかった。
「やられた! あとは頼むぞ……」
そこから先は声にならなかった。勇敢なテルも電撃の悲鳴を押し殺すので精一杯だろう。分隊支援兵器、いわゆる軽機関銃のガンナーがやられた。残るのは自動小銃が二丁と狙撃銃が一丁。敵を陣地に近づけないようにするのは圧倒的に火力が足りない。
最初のコメントを投稿しよう!