29(承前)

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 タツオは地面に横たわり考えていた。なんとかして隊旗を守れないものか。あと40分弱で、目標の正午になるのだ。タツオは叫んだ。 「ジャクヤを王将に乗せたまま、オートパイロットででたらめに逃げ回らせてくれ。隊旗を奪われないで、ひとりでも兵士が生き残っていれば、まだ戦闘中だ。クニはジャクヤの援護を頼む」  敵のロボットはまだ数十体も残っている。王将が敵に包囲されるのは時間の問題だが、それこそ最も大切なことなのだ。この戦闘は絶対に勝つことはできない圧倒的に不利なハンデ戦なのだ。時間を稼ぐのことが最優先である。クニが3点バーストで自動小銃を発射しながらいった。 「タツオ、もう弾がない。ジャクヤ、いってくれ。最後の援護だ」
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